(私のメルマガより抜粋)
今日のタイトルはちょっと、
昔のドラマ、、 織田裕二が出てきそうなドラマのタイトルみたいになってしまいました、。(笑)
でも、FXトレードをやっている限り、
なぜ動くのか
を知っておくことは大事だと思います。
以前少し触れましたが、為替相場を動かす最大の要因は
需給
です。
当たり前の話ですが、これをしっかり認識することは大事だと思います。
例えば、ドル円の場合、米ドルを買いたい人がいて、売りたい人がいる -
その数が多い方に相場が動きます。
では、それは誰なのか - ということです。
ヤツは誰か -
ですね。
1 輸出企業
まず、その犯人(?)の一人は
輸出企業
です。
日本で言うと、自動車産業などですね。
彼らはアメリカの代理店を通じて自動車を売り、米ドルで代金を受け取ります。
でも、日本の工場で設備を動かしたり従業員の給料を払うのは円なので、彼らはマーケットでドルを売って円を買う「宿命」があります。
自動車メーカーは大体、四半期ごとに事業計画の前提となる為替レートを決めています。
毎月1億ドルの売り上げのある社を想定、仮に1ドル105円とすると、これが1円円高になるだけで月1億の減収となってしまいます。
年に換算するとその12倍です。
そりゃたまらん、というわけで、社の財務担当は何をするかというと、3か月とか6か月とかのスパンで
ドルを売る予約
をするわけです。
これを「先物予約」あるいは、「フォワードヘッジ」と呼びます。
これは普通の取引所ではなく、銀行や証券会社がその相手となります。
輸出企業が米ドルを売りたくなるのは、円安ドル高の時です。
同じものを売っても、これで円建ての売り上げが随分違ってくるのは皆様ご存知のことです。
逆も同じ理屈です。
ただ、我々トレーダーと同じで、思っていたレートより円安だからと言ってドル売りを急いでしまうと、もっと円安に振れた場合に、利益を飛ばしてしまうことになります。
そこで輸出企業の財務担当はヘッジ売りに過不足がないよう、
社長に怒られないよう(笑)
相場の方向性や社内根回しを行って売り上げの何割をヘッジするかあらかじめ決めているケースがほとんどです。
この割合を、「ヘッジ率」と呼びます。
輸出企業の想定レートは、決算報告書の他、日銀の「全国企業短期経済観測調査」で知ることができます。
ここで大事なのは、
大企業製造業の想定為替レートは、よく相場の強い抵抗線になる
ということです。
トヨタさまなどが抵抗の一部を作っていることがある -
ということですね。
2 輸入企業
次に、輸入企業です。
輸入企業は輸出企業の逆なので、分かり易いですね。
例えば電力会社が典型です。
電力会社は発電設備の燃料(石油や天然ガス、ウラン)を輸入していますが、当然この取引はドル建てとなります。
従って、輸入企業はそれをFX市場から調達しなければなりません。
ドル買い・円売り
です。
輸入企業が輸出企業と違うのは、彼らは、あくせく為替のことを考える必要がないことです。
お役所的なところが多い、と言えるわけですね。
電力会社を想像していただければと思いますが、彼らは、為替の損は、電気料金を値上げしてしまえばいいわけです。
航空会社のサーチャージも同じですね。
なので彼らは、輸出企業みたいなヘッジのコントロールをする必要がありません。
最低限の先物予約 ー 程度ですね。
なので、輸出企業ほど一度に巨額の売り買いをするわけではなく、輸出企業に比べ、為替相場に与える影響は少ないです。
しかし、あの東関東大震災のときのように(貿易赤字や日銀の異次元緩和の影響で)大きく円安が進んだ時もあります。
この理由は、彼ら(輸出企業&輸入企業)の実需は、投資・投機筋と違って、売り買いが一方に向かう、為替の世界でよく言われる、
片道切符
だからです。
まとめますと、中長期的な相場を予測する上では貿易収支は重要な要因になってくる ー というわけですね。
3 ヘッジファンド
今までは、いわゆる「実需」中心の話でした。
ここから投機筋の話になります。
お察しの通り、投機筋の動きは我々デイトレーダーにとって大事な要因になってきます。
まず、 ヘッジファンド です。
「ヘッジファンドって何?」
と改めて聞かれると、一瞬、
? ? ?
になる方は多いと思います。
それはもっともです。
ヘッジファンドの定義づけはないのです。
超ざっくり言うと、
結構ヤ●ザな取引をしている(おっと失礼)投資筋
とでもいえましょうか。
とにかくハイリスクハイりターンな巨額取引をしている連中です。
ハイ●ナ(おっと失礼)のように利益を追求し(当たり前ですが)、強い通貨を買い、弱い通貨を売ってきます。
上げになるとどんどんポジションを積み上げ、こらあかん となるとドッとひっくり返します。
特にこのポジションの手じまいを行う時、相場に大きな変動が起こります。
なので我々個人投資家は、彼らがどういうか考えで、どういう行動パターンを取るかということを意識することは重要になってきます。
そして、大事なのは、、
彼らは実需筋と違い、ポジションを長きにわたって抱えるという事はしません。
買えば売る。
売れば買う。
長期的に見れば為替需給には影響を与えていないのです。
要は、アップダウンをつくっている、人口プールの波製造係 - みたいなものなのです。
4 リアルマネーファンド
リアルマネーファンドはヘッジファンドと違い、長期的な資産運用のために為替取引を行う人たちです。
生命保険会社や年金ファンドなどが代表的です。
ついこの前(2021年10月)、麻生さんが横浜の街頭演説で、
「年金増えたのは、運用を株でやったおかげでしょうが」
って言って話題になったアレです。
(株でやって下がったらどうしてくれんの? と突っ込みたくますが。)
ヘッジファンドのお話の時、ハイ●ナ(おっと失礼)と書きましたが、リアルマネーファンドはそういう種ではなく、マジメなイメージがあります。
当然ながら長期運用になります。
また、当然、「空売り」をすることなどもありません。
このリアルマネーファンドの影響は、前に書いた輸出入企業ほどではありませんが、長期相場に影響を与えます。
とはいえ、どう見ても先、円高になるといったような判断を下した時は、さすがに先物で売りを建てることもあります。
ドル円が ↓ トレンドを形成している局面で、生保などがドンと売りを建てると結構影響があります。
そして、このリアルマネーファンドの最大の、いや世界最大の機関投資家、年金ファンドは、今のところ為替に対してヘッジ的な動きはしていないようですが、これがもしやむを得ず「やった」ときは相当な変動が予想されます。
(次回のこのテーマに続く)
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